ひかりのたび

全国劇場公開作品
故郷に背く父、わたしは生きる、この土地を

志田彩良長編映画初主演作

本作の監督を務めた俊英、澤田サンダーは第10回岡本太郎現代芸術賞に入選した現代美術家であり、元不動産ブローカーでもあるという異色の経歴の持主。本作は不動産ブローカー時代の経験に基づき書かれ、2015年「伊参スタジオ映画祭 シナリオ大賞」中編の部グランプリを受賞し製作へと至った。

【INTRODUCTION】

とある地方都市に冷酷非情なやり方で成り上がった不動産ブローカーの男がいた。
高校三年生の娘は父親が荒らしたこの町に愛着を持っている。
表立たずに暗躍し町にとって異分子である男と、男の裏の顔に気付きながらも共に暮らす娘。
父娘の交差する思いは紆余曲折しながらも結びついていく。
不動産売買というテーマを巡ってモノの価値、さらには人間の本質的な真価を冷静に見極める怖さと危うさを描いた本作。
“優しさ”と“怖さ”を兼ね備えた「金(マネー)」の原点を顧み、幸福を覆う不道徳の在り方を提示する。
同時に利己主義ゆえ外の世界を見据える人間と、愛着や義務感から地元・ローカルを意識せざるをえない人間の対話にもなっている。
あえてカラーを排したモノクロームの丹念な演出によって未来や過去、現実や空想ともつかない曖昧で不確かな映像世界をエモーショナルに映し出す。
10年ほど前から中国資本による日本への不動産投資の話題を耳にする。
とくに北海道の水源地を含んだ森林の買収が目立ち、目的は投資、居住、別荘など様々だという。
この事実は顕在化されずじわじわと浸食されていくような恐ろしさがある。
物語は一瞬の判断で死を悪用することを思いつき、その町における「目立たないが大きな影響力」を持つに至った、“故郷”を裏切り続ける男と、失われた“郷里”に焦がれる娘の二つの軸で構成される。

【STORY】

四年前に町にやってきた植田は不動産業を生業としている。
彼にはある噂が囁かれていた。
それは訳ありの土地に値段をつけて外国人に売っているというものだ。
元町長の三好や町民は地元に愛着がなく土地を荒らす植田を快く思っていなかった。
植田には妻と離婚後、男手一つで育てた高校三年生の娘・奈々がいる。
幼い頃から父の都合で転校が続いたが、この町は最も長く住み、慣れ親しんだ場所である。
嫌われ者の父のせいで嫌がらせを受けることもあるが、卒業後も町で働き暮らし続けたいという希望があった。
植田は地元から離れて東京に行って欲しいと話すが、奈々の気持ちは変わることはなかった。
植田はブローカーとして自分が荒らした土地に残る娘のために、三年前のある夜の事故について打ち明けることにした―

【CAST】

志田彩良 高川裕也
瑛蓮 杉山ひこひこ 萩原利久
後藤早貴 Lilme 川崎誠司 宮本なつ 元気屋エイジ 生沼勇 堀田羅粋 鳴神綾香
山田真歩 浜田晃

【STAFF】

監督・脚本:澤田サンダー
製作:小林栄太朗 畠中博英 木滝和幸
プロデューサー:木滝和幸
撮影:西田瑞樹
音楽:狩生健志/照明:中村晋平/編集:山崎梓
制作担当:阿部史嗣/録音・サウンドデザイン:光地拓郎
助監督:地良田浩之 美術:菊地実幸 安藤秀敏
スタイリスト:関敏明/ヘアメイク:須見有樹子
スチール:轟あずさ
主題曲:三富栄治
タイトルデザイン:山本周
アシスタントプロデューサー:佐藤美智子
協力:MOTION GALLERY
協賛:伊参スタジオ映画祭実行委員会 上毛新聞社
製作:テンカラット HIR マグネタイズ
製作プロダクション・配給:マグネタイズ
配給協力・宣伝:太秦
発売元:マグネタイズ

【RELEASE】

<製作年度>2017年
<製作国>日本
<DVD仕様>モノクロ/本編91分/音声:日本語/ステレオ/片面一層
<セル価格>3,960円(税込)

 

オフィシャルサイトURL
http://hikarinotabi.com/ 
発売日
2022/1/25
販売元
ライツキューブ
コピーライト
©2017「ひかりのたび」製作委員会