嵐に立ち向かう愚かさを、人は勇気と呼ぶ
【INTRODUCTION】
原作コミックの中でも、哀愁漂う一作「航路」を実写化。
安永がかつて強く憧れ、目標とした先輩であり、全雀連理事の岩田。本作は、その憧れの存在が目の前で傀に破れ、二度と元の土地へは戻れない航路の果て――すなわち「人生の節目」に安永が立ち会ってしまう、残酷で切ない悲劇を描き出す。
本作の根底に流れるのは、現代社会にも通じる「ミッドライフクライシス(中年の危機)」というテーマだ。
一度間違えたら二度とカムバックできない年齢のなかで、自分の実力と経験を頼りに、取り返しのつかない破滅が、すぐ傍にあるにもかかわらず、なお勝負に挑んでしまう皮肉が浮き彫りにされていく。
負けたら終わりと分かっていながらも、それでもなお牌を握り、勝負に挑む人間の性を、本作は容赦なく描き切る。
底知れぬ後味の悪さが残る一方で、己の業を貫き通した男の引き際からは、どこか奇妙なまでの清々しさが表出する。
「嵐に立ち向かう勝負師」岩田を体現するのは、圧倒的な存在感と勝負の綾で、一瞬で空気を変える気迫を放つ冨家マサノリ。そして、物語の運命の場を用意する夏樹陽子が、作品の格調をいっそう高める。
単なるギャンブルの勝敗を超え、人生の荒波に呑まれる人間の生き様を刻んだ、渾身の一作。
【STORY】
全雀連の安永(藤重政孝)は、会長からかつて憧れた先輩プロ・岩田(冨家ノリマサ)による1000万円の横領疑惑を告げられ、事態の収拾を試みる。
やがて安永は、資産家の婦人たちに麻雀教室を開く岩田と再会。実は、岩田はある事情から、他人の多額の借金を背負っていた。
彼は、夫をカモにする宿敵・藤尾(浅見小四郎)にリベンジしたいという資産家の妻・今泉栄子(夏樹陽子)の相談を利用し、高レートの場に共に乗り込んで借金を返す目算を立てていた。
勝負の日、岩田は藤尾らを相手に勝利を重ねる。安永が安堵しかけたその時、卓に傀(根岸拓哉)が姿を現す。 序盤こそ岩田は得意の「迷彩打法」で稼ぐが、傀のリーチに対し、安全と読んで抱えていた字牌を放つもこれが直撃。巧妙な単騎待ちに狙い撃ちされ逆転を許す。
「どうだい兄さん。差しで、ビンタ倍にしないか?」
敗北を偶然だと言い聞かせる岩田は、安永の制止も聞かずにサシ勝負を挑む。己の計算を信じ、あえて生牌勝負に出る岩田に対し、偶発的とも思える上がりを奪う傀の嵐が容赦なく吹き荒れる。
絶望の淵でも勝負を降りないその背中に、安永はかつて憧れた先輩の最後の意地を見る。引き返せぬ航路の果てに待つ、2人を迎える結末とは――。
【CAST】
根岸拓哉
藤重政孝
柊子
浅見小四郎
嶋尾康史
山田太一
山本しろう
海津雪乃
市山貴章
村松恭子
小椋毅
村尾俊明
山下禎啓
生田拓馬
大庭三四郎
白土りょうすけ
影岡侑樹
夏樹陽子
冨家ノリマサ
【STAFF】
監督:片岡修二/原作:天獅子悦也「むこうぶち 高レート裏麻雀列伝」(連載「近代麻雀」竹書房刊)/企画協力:竹書房/エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介/プロデューサー:海田晃弘、神崎良、見留多佳城/脚本:七字幸久/闘牌指導:ケネス徳田、中村毅/撮影・照明:瀬川龍/録音:山口勉/美術:中谷暢宏/装飾:大島政幸/編集:遊佐和寿/選曲効果MA:藤本淳/製作担当:鈴木智/監督補:草苅勲/衣装:柴田真菜美/ヘアメイク:上村詠子/制作プロダクション:G・カンパニー/製作:ライツキューブ
【RELEASE】
<製作年度>2026
<製作国>日本
<DVD仕様>カラー/本編70分/16:9/音声:日本語/ステレオ/一層
<セル価格>3,960円(税込)





