【特集上映】台湾Filmake——映画に恋した3つの人生——

4月25日(土)よりケイズシネマほか全国順次開催

INTORODUCTION

3作品に共通するのは、“映画を作る人々”の物語を描いた映画であること。
青春時代を映画制作とともに駆け抜けた人々、超低予算の作品制作で一発逆転を狙う人々、そして関わった映画と自分自身が重なっていく経験をする人々——スクリーンの裏側で、不思議な出来事が作り手たちに巻き起こる。

本特集では、台湾映画史に残る大ヒットホラー『紅い服の少女』や、Netflix非英語ドラマ部門で世界2位を記録した「模仿犯」を手がけた“グリーナー・グラス”の初期作品に加え、台湾BLドラマ『奇蹟』で注目を集めたカイ・シュー出演作、さらに台湾ニューシネマの巨匠ホウ・シャオシェンのもとで長年美術監督を務めてきたホアン・ウェンインの長編初監督作を上映。『超低予算ムービー大作戦』は日本初公開、『台湾ハリウッド』『めぐる面影、今、祖父に会う』はいずれも日本では鑑賞機会の限られていた作品であり、劇場で観られる貴重な機会となる。
映画の作り手たちが映画、現実に人生を動かされていく、「事実は映画より奇なり」な台湾映画ファン必見の3作品をお見逃しなく!


台湾ハリウッド
——1960年代、台湾語映画の黄金時代。“台湾のハリウッド”と呼ばれた温泉街・北投には、映画に人生を賭けた人々の青春があった。若手監督のシャオ・リーショウが、台湾で活躍する日本人監督の北村豊晴とタッグを組み、その日々を笑いと涙たっぷりに描くロマンスコメディ。第15回台北映画祭・脚本賞受賞作。

STORY
入院中の祖父を見舞いに来た孫。脚本家だった祖父は、女優だった祖母との出会いを彼女に語り始める……。
時代は遡り、1960年代。台湾の北投で売れっ子脚本家の劉奇生(ラン・ジェンロン)は、自身が脚本を執筆した映画の初公開を迎え、宣伝に協力させられ劇場へ。そこで、満員の劇場に入れず、登壇するスターに会いたい一心で潜り込もうとする美月(アンバー・アン)に偶然遭遇し……。



📢低予算ムービー大作戦🎬
ある有名映画会社の撮影中に、監督が謎の失踪を遂げる…!?広告界の奇才リー・ヨウチアオの最新作。ある低予算映画の制作過程でバカバカしくて奇妙な事態が次々と巻き起こる、ジェットコースター・コメディ。台湾発のBLドラマ『奇蹟』に出演し注目を集めたカイ・シュー、『カップルズ』出演のタン・ツォンシェンほか個性豊かなキャストがドタバタ劇を繰り広げる。

STORY
新作映画のため、プロデューサー(タン・ツォンシェン)は監督探しに奔走する。しかし、超低予算の企画を引き受ける監督は誰ひとりいない。藁をもすがる思いで採用したのは、自ら志願してきた怪しげな新人監督(カイ・シュー)。企画、出資元からの無理難題、そして撮影現場。スタッフたちは、予算の壁に翻弄されながら映画づくりに挑むことになるが……。


🌫️めぐる面影、今、祖父に会う👴🏻🌫️
台湾ニューシネマの巨匠、ホウ・シャオシェンと長年タッグを組んできたホアン・ウェンインの長編初監督作品。プロデューサーをホウ・シャオシェンが務める。父の介護のため実家に戻ったアートディレクターが、故郷で過ごすうち、日本の統治時代を生きた祖父に思いを馳せていく、家族ドラマ。台湾ドラマ版「イタズラなKiss」のアリエル・リン、ヒロインが惹かれていく建築士、そして祖父役をヴィック・チョウが演じる。

STORY
映画美術の仕事に携わるフーユェ(アリエル・リン)は、体調を崩した父を支えるため、撮影現場を一時的に離れ、故郷へ戻る。父の介護のため故郷で過ごすうち、そして撮影セット制作のため、連絡を取った建築士(ヴィック・チョウ)と語り合うなかで、彼女の心は祖父が生きた時間へと、重なっていく——。


COMMENTS

🇹🇼 特集上映「台湾Filmake」🇹🇼

暉峻創三(映画評論家)
ますますの充実期を迎え、日本公開作も目白押しの台湾映画。
だが(あるいは、だからこそ)、まっとうに公開される機会を逸したままの話題作がまだまだ多数ある。

奇しくも、様々な時代、態様の台湾映画業界で働く人々を描く3本の作品で構成された本特集は、
昨今の台湾映画界に漲る熱量、層の厚さ、多様性を実感するのに絶好の機会だ。

🌝『台湾ハリウッド』🌝

小島あつ子(台湾映画同好会)
喜劇、メロドラマ、スパイものから着ぐるみコスプレ寓話に至るまで、
あらゆる作品が情熱と勢いと奇想天外なアイディアで、思いのままに撮られていた1956年からの台湾語映画時代。
そんな<台湾ハリウッド>な日々に魅せられた人びとの、愛と記憶をめぐる素敵なコメディです。

「夢は月と共に」——皆さま、ハンカチのご用意をお忘れなく!

👴『めぐる面影、今、祖父に会う』👴

片倉佳史(台湾在住作家・武蔵野大学客員教授)
台湾の人々がもつ「人生のこだわり」と台湾という土地が持つ味わい。本作は両者を巧みに融合させたものである。

主人公は台北という大都会に暮らし、映画制作に追われる毎日を過ごす。
慌ただしく、充実した日々ではあるが、計り知れない苦悩やストレスもため込んでいく。

本作はそういった毎日を時間軸から描いていく。
祖父は日本統治時代(1895~1945)に暮らし、父もまた、その時代に生を享ける。
地震や空襲、戦後のハイパーインフレなどを経験した祖父は、苦難に強く向き合った。
父もまた、現在の尺度から言えば「堅物」であり、器用なタイプではない。
そして、主人公もまた、こだわりと美学をもって制作活動に向き合い、奔走する毎日を過ごす。

三者を貫いているのは信仰である。本作には「玄天上帝」という道教の神が登場する。
神はどんな時でも人々を見守り、台湾という土地を優しく包み込んでいる。
台湾の人々は総じて信仰に篤く、密接なやりとりが繰り広げられるが、こういったものも本作では重視されている。

また、大都会の台北と地方都市である嘉義の比較も興味深い。
嘉義は台湾でも指折りの「土着意識」の強い都市で、食文化や都市景観のみならず、人々の気質も独特なものがある。
そういった嘉義の魅力にも触れてみたい。

日本統治時代と戦後の中華民国時代、そして、民主化以降の台湾という社会の変遷の中、
人々がどのように生き抜き、生き続けていくのか。
主人公は祖父や父から受け継いだものを温め、新しい「何か」を創っていく。
「台湾らしさ」とは何かを見つめつつ、台湾の人々の中に流れているものを感じたいところである。

🎬『超低予算ムービー大作戦』🎬

くれい響(映画評論家)
やけにメガネ率高めのクセ凄キャラ大集合とシュールかつブラックな笑いに、
初期チェン・ユーシュン監督作を思い起こすも、「台湾の三木聡監督作」というべき脱力系カルトムービーへと変貌!

まったく先の展開が読めない中、やたらとグァバジュースが飲みたくなった!!

𝗧𝗛𝗘𝗔𝗧𝗘𝗥

——関東——

東京
K’s cinema|4/25(土)~

神奈川
ジャック&ベティ|6/13(土)~

 
——近畿——

兵庫
Cinema KOBE|4/25(土)~

大阪
シアターセブン|5/2(土)~

𝗖𝗔𝗦𝗧&𝗦𝗧𝗔𝗙𝗙

<台湾ハリウッド>
監督:シャオ・リーショウ、北村豊晴 出演:ラン・ジェンロン、アン・シンヤ、ワン・ボージエ
2013年/台湾/シネスコ/5.1ch/124分/台湾語、中国語/原題:阿嬤的夢中情人
©2012 All rights reserved.

<超低予算ムービー大作戦>
監督:リー・ヨウチアオ 出演:カイ・シュー、タン・ツォンシェン、マリオ
2024年/台湾/シネスコ/5.1ch/98分/中国語/原題:導演你有病
©2024 All Rights Reserved.

<めぐる面影、今、祖父に会う>
監督:ホアン・ウェンイン 出演:アリエル・リン、ヴィック・チョウ 特別出演:イーサン・ルアン プロデューサー:ホウ・シャオシェン
2023年/台湾/ビスタ/5.1ch/129分/台湾語、中国語、日本語/原題:車頂上的玄天上帝
©2023 All rights reserved.

R指定
G